2017年10月11日

恋人(有栖川有栖)

恋人
有栖川有栖
角川文庫『壁抜け男の謎』収録
初出「エロティシズム12幻想」2002年3月


十八年前の避暑地。十歳の少女との美しい思い出を今も私は口腔でもてあそぶ――

はい。ロリコン乙です。
とは言いつつも味わい深い描写がけっこうある。
”所詮、男好きのする美女などというものは、財布の中身と相談して買えるか買えないかという商品の如く意味の分かりきった存在ではないか”
”頭を壁に当てたところで退路を断たれた由美絵は、ひきつけを起こしたように間歇的に喘いだ。それが耳元で聞くと幻滅しそうな声だったためか、友人たちの痴態を窃視することに興奮しながらも私はどこか醒めていた。”
――など。なんかこう、ガチのロリコンっぽさが出ててよいなと思う。

さて、これでようやく「壁抜け男の謎」収録の作品をレビューし終わったわけだけど。
白眉を選ぶなら「キンダイチ先生の推理(http://www.kijiyasu.com/article/451037920.html)」かなと思う。日常の謎を援用して殺人事件を解く構成が好み。

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ラベル:有栖川有栖
posted by 雉やす at 03:07| Comment(0) | 書評(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月10日

ダンガンロンパ The Animation



ゲームやった人が見たら十人中十人とも「尺が足りてない」と思うだろう。
特に捜査パートが一瞬で終わるので手がかりの印象が薄く、時によっては犯人が反論した後に苗木が後付けで繰り出したようにも見えてしまう。30分×13本という枠の限界か。全体的に詰め込み過ぎて消化しきれていない。
学級裁判の演出もゲームそのままで見どころないし、おしおきタイムも使いまわしだし。

だが、続編作品にさわる前に最初の作品を復習しておきたいなと思う人にとっては、ゲームを一周するより速くてスムーズな、最良の「ゲームのダイジェスト」であることは間違いない。
13話ずっと「総集編」と思ってみればそれなりにおもしろい。

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posted by 雉やす at 19:15| Comment(0) | アニメレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月29日

ジージーとの日々/震度4の秘密(有栖川有栖)

ジージーとの日々
有栖川有栖
角川文庫『壁抜け男の謎』収録
初出「ダ・ヴィンチ」2006年4月号



子育てロボット「ジージー」とある家族との生活を描いた短編。叙述っぽい要素がある。
こういう落とし方なら「世代間のテクノロジー格差」の描写が物足りないなと思った。

叙述トリック昔はあんまり好きじゃなかったんだけど、某自作小説のおかげで「まっすぐ書く不毛さ」にどっぷり浸ってるせいか、効果があるんなら望ましいなと思うくらいになってる。ネタを明かされたときに作中風景が一変するような秀逸なのもあるしね。道尾の向日葵とか。


震度4の秘密
角川文庫『壁抜け男の謎』収録
初出「ダ・ヴィンチ」2004年4月号(震度4の秘密―男)
  「日本テレコム SHORT THEATER」(震度4の秘密―女)

 結婚を間近に控え互いに秘密を抱える男女が地震をネタに探り合いをする話。
 同じ会話シーンを二つの視点から、という切り口で書かれている。

大学の授業で「相手がどう考えるか、何を思っているかが分からない。その不可知さに価値があるのに、視点移動で何でもかんでもペラペラしゃべる露出癖の馬鹿っぽい小説だよ。言い訳してないで勉強しろ」と某教授が「ぼくは勉強ができない」

を散々けなしていたのをなんとなく思い出した。でも「まっすぐ書く不毛さ」に比べたら良し悪しはどっこいどっこいじゃないだろうか。少なくとも視点を割った方がこんなふうに短くて済むし。――あぁ視点割りてぇ。

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ラベル:有栖川有栖
posted by 雉やす at 13:38| Comment(1) | 書評(ミステリー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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