アーサー王の剣
エロール・ル・カイン
ぽるぷ出版(2003)
"はるかなむかし、ブリテンの国に、アーサー王という名だかい王さまがおりました。ある日アーサー王は、湖の姫から、魔法の剣エクスカリバーをさずかりました。ところが、アーサー王の姉モルガナがその剣を盗みだして…。イギリスで古くから語りつがれてきた有名な騎士物語・アーサー王伝説を、「イメージの魔術師」エロール・ル・カインがユーモアあふれる絵本にしました。ル・カインが初めて手がけた絵本です。"
キャッツで有名なエロール・ル・カインの出世作。27歳の作品だそうな。
アーサー王伝説をエクスカリバーの逸話に絞りこんで書いている。エクスカリバーはユーモラスな万能の道具として描かれており、船の帆から爪楊枝にまで姿を変える。楊枝と化したエクスカリバーをくわえるアーサー王のニカッとした笑顔にキャッツの片鱗を感じる。
血なまぐさい円卓の騎士たちの存在はざっくり削られ、モルガナとの幻想的な剣の奪い合いに終始している。暗い色調での戦いが続き、読み終えた後もそのイメージが残る。楽しくもあるが、どちらかといえば不気味な絵本だ。
ラストはそれなりに丸く収まるが、失ったエクスカリバーは戻らない。アヴァロンに行くこともなく年をとったアーサー王が、しわの増えた表情で聖剣を懐かしむ絵がよい。
2014年02月20日
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