2015年12月15日

放課後ミッドナイターズ/竹清仁

放課後ミッドナイターズ
監督:竹清仁
出演:山寺宏一、戸松遥他



”福岡を拠点に活動する奇才・竹清仁監督が手掛けるアトラクションムービー。夜な夜な動き出す理科室の人体模型・キュンストレーキと相棒・ゴスを主人公に、真夜中の学校で巻き起こる大騒動を描く。3人のスーパー幼稚園児とミッドナイターズが大激突。”

 例によってバンチャで見終わった。
 なんでも願いが叶う三つの「メダイ」を求めて、好奇心のままに行動する幼稚園児のマ・ミ・ム。三人にいたずらされた復讐をしたい人体模型キュンストレーキと、「メダイ」を集めて理科室の取り壊しを防ぎたいゴス。「メダイ」の番人をしているプールの半魚人、デジタルルームの骨ばばあ。音楽室の音楽家の写真たち。40年間トイレに閉じ込められていた魔王シャブリなど。様々なキャラクターたちが手前勝手に動きながら話が進んでいく群像劇ホラー。
 CGが派手で綺麗で見応えがあって、映像の魅力がすごい。豪快でキャッチーな演出と元気なキャラクターたちの持つ勢いがマッチしている。特にシャブリが暴れ始めてからの追いかけっこから、ストーリーが一気に収束する流れが心地よかった。
 主役のキュンストレーキ演じる山ちゃん始め、声優の演技もキマっている。キュン様はぶっちゃけマスクと被る(というか被らせてる)ところがある。――うん、マスクの系統だと思って見始めるとカテゴリーエラーしなくていいんじゃないだろうか。見終わったときには「おお、マスクよりおもしれー」ってなると思う。
 こういう、それぞれのキャラクターがそれぞれの動きたいように動いて、結果誰も予期せぬ幸運が舞い込むって感じのお話は、本当に見終わったあとに爽快な気分になる。群像劇ってこうでなくちゃ。

posted by 雉やす at 23:34| Comment(0) | 映画レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月28日

ROAD NORTH/旅人は夢を奏でる

原題「ROAD NORTH」
邦題「旅人は夢を奏でる」
監督:ミカ・カウリスマキ
主演:ヴェサ・マッティ・ロイリ/レオ
   サムリ・エデルマン/ティモ

 梅田ガーデンシネマの閉館記念――というわけでもないが、タダ券もらったから見に行った。
 妻と別居中の孤独なピアニストティモのところへ、35年間音沙汰がなかった父親のレオが訪ねてくる。レオが切り出した「ほんの少し」のドライブは、腹違いの姉やボケた祖母、妻の実家など、家族の元を訪問するうちに少しずつ北へと伸びていく。レオのことを試すように母親の昔を尋ねるティモは、やがてある質問を彼にぶつけるのだが――

 ロードサイド・ムービーだが、サスペンス要素も強く退屈しない。糖尿病の遺伝や歌の実力からするとレオがティモの父親であることは確かなように思えるのだが、その割にはティモの母親のことを覚えておらず、犯罪も厭わない過激な行動に走ったりもする。この矛盾が前半の緊張感を生んでいて、おもしろく見れる。見終わった後にレオの奇行の一つ一つを思い返してみると、どれもしっかり腑に落ちるようになっている。
 ティモの抱えている暴力性と家族愛の表現も実にすばらしい。携帯を湖に投げ込まれたシーンの切れ方とか、レオがティモをかばう裏で必死にプールの水を掻きだすシーンとか、コミカルだけど哀切がある。
 音楽も大きなテーマになっている。ホテルのバーでレオとティモが歌い上げるシーンは本当にうまくてびっくりする。パンフによると、レオ役のヴェサはフィンランドでは国宝級の俳優/ミュージシャンで、ティモ役のサムリも歌手として活動しているらしい。どうりでうまいわけだ。
 俳優の実力と上手い脚本、質の高い演奏まで揃ったよい映画だと思う。

余談
 レオは二つの寓話で何かを説明しようとする。そのうち一つは荘氏に出てくる「不射之射」で、中島敦の名人伝(http://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/621_14498.html)を読んで覚えがあったが、もう一つの「修道士とスグリの実」の方は、孫に語っていたシーンでうっかり考え事をしていたせいで字幕を見逃してしまった。
 映画の筋と考え合わせれば「音楽の極意」と「家族への愛着」というような寓意になるのだろうが、序盤でレオが「俺は修道士さ」→「修道士にはなれない」と謎めいた自嘲をするシーンが印象深かったので、しっかり見ておけばよかったと後悔している。
 
 
posted by 雉やす at 22:56| Comment(0) | 映画レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月28日

蟲師

蟲師
監督:大友克洋
出演:オダギリジョー 蒼井優




 夏の山、むせるような濃い緑の木々、深い青にふんわりとまとまった雲。あるいは夜の闇。虫の鳴く声。
 ――というような映像美に酔えるかどうかで評価が変わってくる。評判のCGは確かに美麗で風景と融け合って違和感がないが、CGよりも全面に押し出されているのはむしろ自然だ。
 ストーリーは原作のエピソードの幾つかを一つの流れにまとめている感じ。
 終盤の展開にあまり迫るものがない。虹蛇はてっきりオチに使うのかと思ったが、手前で処理されてしまっていた。ギンコがなんで復活したのかが(復活した時点では)曖昧なので、最後の婆さんとの対決を手前に持ってきてもよかったかも。
 良い意味でむやみにエンタメしていないので、まったり映像を楽しむ良さが十分ある映画だとも思う。
 オダギリジョーと蒼井優はハマってた。特に蒼井優の臥せってるシーンが色っぽくてよい。
 
posted by 雉やす at 01:52| Comment(0) | 映画レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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