さとう ふみや (著), 天樹 征丸 (原著)
講談社漫画文庫(2005)
”桜雪に隠された少女の悲劇・雪影村殺人事件突然に知らされた昔なじみの死…懐かしい想いを胸に、一は雪影村へ向かう。だが5年ぶりに訪れたその地では悲しいすれ違いが生んだ悲劇が、一を待っていた……。”
毎年必ず春の終わりに降る「桜雪」を使った雪密室。
地元に伝わる3本の「上送りの矢」を凶器に使った連続殺人。
中学時代の思い出をノスタルジックに振り返りながらキャラクターを立てていく作劇。
「仲間内の誰か」→「そのうちのあいつが犯人」、二つの段階を踏まえながらテンポよく進んでいく推理。
犯人との対決からのドラマチックな流れもよかった。文句なしに良作。
こういうのでいいんだよこういうので。ミステリーにおいてトリックとドラマ性は車の両輪なんだよ。
傷があるとするなら「はじめちゃんが昔二週間しかいなかった」ってとこだけど。
そこはまあツッコんでもしょうがないよね。
なんかこうまれびとポジションから、ペルソナ主人公並みに好感度稼いだんだろう。