2015年05月29日

プリズマ☆イリヤ

バンチャで見放題が今月までだったので、プリズマ☆イリヤの一期を見終えた。
 萌え萌えな作画は素晴らしいんだけど話が暗くて辛いというか、成り行きで魔法少女になっただけのイリヤが「あなたは成り行きで戦ってるだけ」と責められる中盤の展開が理不尽だったりする。当たり前やん。そんなこと言い出したら成り行きで子供に戦わせてる凛の方がよっぽど責められるべきだろう。
 そういう流れがあるので、終盤、イリヤが戦う覚悟を決めて頑張れば頑張るほどに、押し付けてる凛のクズっぷりが目立ってしまう。さんざん人にやらせておいてからの爽やかな「おつかれさまー」はちょっとひどすぎるんじゃないですかね……。宝石魔法もくっそ弱いし。なんなのこの使えない魔術師。
 戦闘はいつものfateというか、セルパロの域は出ていない。続編でオリジナルサーヴァントとか出してくれたら捗りそうだなとは思う。出てるのかな? たぶん出てないだろうな。
 イリヤにけっこうなオタク属性がついていて、そのせいで声(門脇舞以)もキャラデザも変身バンクも可愛いのにリアクションだけおっさん臭くなってしまっている感がある。美遊との絡みも女の子が百合百合するというよりは、おっさんとツン(ヤン)デレである。
 やっぱりいちばんの見どころは作画と声ということになりそうだ。あと凛のクズっぷり。桜にでも見せたら喜ぶだろう。



posted by 雉やす at 23:28| Comment(0) | アニメレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月28日

その孤島の名は、虚

その孤島の名は、虚
古野まほろ
角川書店(2014)



"公立女子高バンドの雄、吉祥寺南高校・吹奏楽部。その部員20人以上が、この世界から音楽室ごと蒸発した。瓦礫から脱出した彼女らが見いだしたのは、その島に息づく“存在”と“法則”―忍びよる生きた影。螢のように輝く住人。さまよう度に変貌する自然や廃墟。島は女子高生を惑わし、誘拐し、殺してゆく。生き残りたい。島の謎を知りたい。復讐したい。彼女らは楽器を捨て、殺し合いの武器をとるが!? "

 漂流教室のオマージュものかなと思って読み始めたが、吹奏楽部の楽器パートごとに分かれて作った島の地図が食い違う辺りから、きちんと漂流の謎、島そのものの謎を解明していくことになるので、途中からの読み味はまったく違った。基本的には「ビーチ」「市街地」「ジャングル」に散ったクラリネット、トランペット、ホルンの諸陣営の視点が切り替わりながら、断片的な情報に基いて島の謎を追う流れになる。「ビーチ」にはお助けオカマのおシマさんが、市街地には黒いシルエット人が、ジャングルには薄いキラキラ人がいて、トランペットとホルンは次第にシルエット人とキラキラ人の戦争に巻き込まれていく。
 やたら女子吹奏楽部のギスギスした人間関係についての描写がうまく、仲間割れしたあげくに殺し合いにまで発展する展開に妙な説得力がある(特にホルンの視点人物の鈴菜が非常に嫌味の利いたキャラで素晴らしい)。市街戦のどんでん返し、島の謎と殺人の謎での二段落ちなど、押さえるべきところをきっちり押さえて、難しいファンタジー要素入りのミステリーをしっかりとまとめているところはさすがまほろだなと感心した。
 お助けキャラの使い方もよいというか、おシマさんがオカマじゃないとこの展開にはならなかっただろうなという必然性は感じ取れる。お助けキャラその2のカケルくんも分かりやすくエヴァ臭くて、存在自体に違和感はないし、ちゃんと謎の解明にも寄与している。ただカケルくんみたいな分かりやすいパロディ使いすぎるところが、いまいちまほろの評価が上がり切らない原因でもあるんじゃないかなと思う。実力の割に舐められてしまうというか……。いやまあ、セリフまではもじってないし、名前の表記と立ち位置だけでこっちが勝手にカヲルくん連想してるだけかもしんないけどさ。

 メインを張る島の謎については、読者にどれくらいの予備知識があるかで評価が変わってくると思う。どちらかというと知識問題なので、謎を解き明かすロジックというよりも、どう情報を整理して知識と結びつけるかというタイプの推理描写になる。TRPG風に言うなら、やたら「知識」ロールに強い友梨のダイス運を許容できるかどうか、というところか。

ラベル:古野まほろ
posted by 雉やす at 21:35| Comment(0) | 書評(ミステリー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村